いますぐできる「地震への備え」とは?

昨日(令和6年8月8日)、宮崎県日向灘を震源とする地震が発生しました。揺れも大きく、広範囲であったこと、また、その震源が「南海トラフ地震の想定震源域」であることから、「南海トラフ地震臨時情報」が気象庁より発表されました。今回、「巨大地震注意」というカテゴリーでの発表です。

「注意」ということで特段の規制が行われるわけではないのですが、今後1週間程度の期間、日頃の備え再確認、必要に応じて自主避難、としての注意喚起となります。

南海トラフ地震厘情報
NHKホームページ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240808/k10014542951000.html より

では、「日頃の備え再確認」という部分で、どのような対策・対応が必要でしょうか? 今回、建物にまつわる部分でご紹介したいと思います。

不用品の始末

以前のブログテーマで以下のようなものを取り上げています。

本来であれば、耐震補強工事などをすすめるということが重要かとは思いますが、それには調査から実際の工事に至るまで相当な時間がかかってしまいます。となれば、簡単に早くできる手法はなにかないのか?ということになります。その一つとして「不用品の処分」というのはすごく重要です。

2階建ての木造住宅を例にあげますが、同居家族の変遷や、生活スタイルの変化で、2階部分の部屋がほとんど「荷物置場」になっている事例が多いです。人が住んでいないにも関わらず、2階部分を物置として使っているとすれば、過剰な荷重を2階で受け持つことになり、建物全体でみたときの重心が高い位置にきます。このことにより、「頭が重くなる」ことで揺れに対してかなり不利になり、倒壊の危険性が増します。

2階部分への措置として、

 ・不用品をすべて処分、あるいは処分できないものは1階におろす
 ・使っていない部屋の「畳」を処分する
 ・使っていない部屋の「エアコン」は室内、室外機共すべて外す

として、とにかく2階を軽くしてください。これだけでも耐震性はアップします。一部、TV報道などで、2階での就寝を推奨するコメントがありましたが、2階に不用品が満載の状態であれば、1階がつぶれるだけではなく2階の損傷も甚大になります。

開口部の開閉状態の確認

次に、室内室外のすべてのドア、戸、窓の開閉状態を確認してください。現時点で経年変化により建物のひずみがある場合、それらの部分の開閉状態が悪いかもしれません。ですが、地震が発生したのち、新たな箇所の開閉状態が悪くなった場合には、その箇所を含めた周辺に甚大な変形がある可能性があります。地震発生前に調べておくことで、開閉状況調べるだけでも、地震発生後に建物損傷の有無が簡易的にでも判断できますので、是非、実施して記録しておいてください。

オール電化住宅向けの重要な確認

オール電化住宅の方には、2つ確認事項があります。まず1点目。

○カセットガスコンロの準備

です。当然、大きな地震直後では、停電の可能性も高いです。火を使える環境を予備でもっていることにより、炊事だけではなく、煮沸消毒など様々なシーンで使えます。

また、燃料となるカセットボンベの準備や、実際に着火できるかどうかの確認なども重要です。

2点目です。

○非常用取水の準備

エコキュートや電気温水器をご利用の方は、「非常用取水」ができるように準備してください。これはマニュアルにも記載が必ずあるものですが、ほとんどの方が使ったことがないと思います。エコキュートや電気温水器は「貯湯ユニット」があり、そこに使うお湯が溜まっています。これを非常時に利用できるような仕組みがあります。

これは、三菱エコキュートの例です。その他のメーカーにも同様な機能が「必ず」ついています。緊急時に使える水の量としてはかなりの量になります。いつでも取り出せるように操作方法などを確認しておいてください。

太陽光発電設備を設置している方

太陽光発電設備を設置している方は、かならず、パワーコンディショナー(通用、パワコン)が設置されています。これは、太陽光パネルが発電した「直流電気」を「交流電気」に変換するものです。このパワコンに「自立運転機能」というものがついており、停電時にも電源供給ができます(多くの機種は最大1500W程度)。ただし、この機能は外部からの電源供給が切れている状態(OFFの状態)でのみ運用できる仕組みになっていますので、通常、そのままでは動作しません。

大まかな話しは、「JPEA 太陽光発電協会」のホームページでも説明されていますが、まずは、ご家庭のパワコンのマニュアルをお読みください。


非常時への備えに対応するためのものは多種多様です。一般的に言われるのは、いわゆる防災グッズというものですが、住宅そのものに備わっている設備や、状態をしっかり確認しておけば、地震の際に判断に迷うことなく臨機応変に対応ができると思います。「普段からの準備」これが本当に大事なことなのです。

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