アンカーボルト♪

基礎部分と建物を結束する部材としてアンカーボルトというものがあります。基礎からニョキニョキとでているボルトのことなんですけど、アンカーって、anchorって書きます。意味としては、いかり(をおろす)、頼みの綱、最終走者、固定する、支えるという意味なんですけど、実は、本当に頼みの綱になのです。

写真上では、長いボルトと短いボルトが写ってます。長いものは柱に対して、短いものは土台と言われる家を支える横架材に対して作用します。簡単に言うと、基礎から建物が飛んでいかないように引っ張っておくボルトなわけです。今回は短い方のアンカーボルトに焦点をあててみます。

実は意外と、このアンカーボルトってのが、入れとけばいいやろ的な施工も見受けられます。結論から言いますと、このアンカーボルトは、どのような力が作用するのか?という視点から、確実な設計が必要です。物理的に入っていればいいでしょ?なノリにはなりません。

アンカーボルトの働きの一番の目的は基礎と建物をしっかり固定することです。このボルトが不良だと地震のときに基礎から建物が飛び出してしまって倒壊に至るということになります。

さてさて、アンカーボルトの設計の視点として重要なのは、筋交いの配置、土台の継手になりますが、より重要なのは筋交い等の耐力壁の配置でアンカーボルトの位置が決定することでしょう。耐力壁は横からかかった力に踏ん張るわけですから、踏ん張りが効くためにはしっかり固い基礎との間に、ボルトが引き抜かれないだけの性能が必要になります。

さらに、地震時の横揺れ時には、このアンカーボルトをへし折るような横から力が加わることになります。これをアンカーボルトへのせん断力といいますけど、基本的に数が少なければ、一本当たりが負担する力は増えます。従って、相応の数が入らなければ飛び抜けることは防げても、横からの力によりアンカーボルトが折れ、結果として建物が基礎から脱落することが想定されます。

厳密にはさらに土台の強度、柱と土台のめり込みがないかなどの検討も必要ですが、今回はアンカーボルトだけに焦点を当ててみました。

弊社ではこのアンカーボルトに対して、構造計算により力の掛かり具合を計算し、配置を決定しています。

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