ナウマンゾウとネアンデルタール人が見た夜空

嶺南にあります「福井県年縞博物館」と「若狭三方博物館」では、ナウマンゾウ、ネアンデルタール人、そしてオーロラの発生についての特別展「ナウマンゾウとネアンデルタール人が見た夜空」を開催しています。今回は、福井県年縞博物館にて、「地磁気極移動編」としてナウマンゾウの牙、ネアンデルタール人頭骨、日本最古級の石器等を見に行ってきました。

年縞は、三方五湖の水月湖の湖底でかき乱されることなく堆積した地層によって作られる「地層の縞」で、1年で約0.7mmの堆積があるとして、45mもの地層の縞を分析することで、約7万年の時間的ものさしができあがったわけです。このものさしと、地層が含む「放射性炭素」の残量を測定することで、かなりの精度で時間的な経過を測定することができるわけで、水月湖の年縞は、2012年7月にパリで開催された「第21回国際放射性炭素会議」において、水月湖のデータを中心に作成された「IntCalイントカル」が年代の「世界標準のものさし」として採用された経緯があります。

博物館には、45m、7万年分の実際に採取された年縞が展示されており、この年縞を分析した結果と歴史的イベントが掲示されています。

年縞に含まれる微生物や鉱物などを分析すると、火山灰や微生物の死骸などが発見され、それによって歴史的イベントや気候変動などもわかるというものなのですが、画像にもアップしていますが、例えば、ネアンデルタール人が絶滅したのが「40145±885年前」など、かなりの精度での年代がわかってきます。約40000年前というような表現ではないのが、おもしろいですw また、気候変動や火山噴火などもしっかりわかるということで、地球全体の環境変化がどうだったか?ということも含めて研究されているわけです。

さて、ナウマンゾウの牙、ネアンデルタール人頭骨などの展示は、それが年縞との関連での歴史イベントとして公開されている内容と連動しての展示なわけです。

特別展は、年縞の展示と合わせ展示されていますので、広いスペースで公開されているわけではありませんが、年縞展示で示される歴史的イベントを見ながら、実際の化石などを見ると、現実味が沸きます。また、年縞博物館がある「鳥浜」には、縄文時代の貝塚も発見されていて、古代の歴史を刻んでいる地域だということで、学術的な価値も大きいと思います。

建物周辺を見渡すと、ネアンデルタール人が見た風景を想像してしまうくらい、自然にあふれています。散策すると、時間と空間がタイムスリップしていくような感覚すら覚えます。皆さんも休日にぜひ一度ご訪問くださいませ。


◎福井県年縞博物館

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