福井県では耐震改修工事で「低コスト工法」を推奨しています。一般的な改修方法よりも多彩な補強方法を網羅し、試験結果を元にした耐力を使っての耐震改修です。壁の状況などによって使える補強方法を選定していくことが「低コスト工法」では必要になりますし、また、耐力を十分に評価できるだけの柱接合を「N値計算」によって導き出し、接合部評価を「Ⅰ」とすることで低減を極力抑えるという手法も使います。「低コスト工法」に対しての弊社の考え方は以前のブログでも触れておりますのでご参照ください。
ですが、本来、コストを落とすためにもっとも必要なのは、「施工の工夫」だと考えています。今日はちょっとした事例を紹介したいと思います。
耐震改修では壁の改修がメインになりますので、できるだけ復旧コストが安くなりそうな押入などを改修することがまずは主体となります。ですが、画像のような押入の場合、「中段」が家具調になっています。

このような押入の中段を解体し復旧となると、意外と手間取ります。家具調ですので仕上げが綺麗ですので、これをそーっと解体して外すというのは厄介です。当初はそれでもやるしかない、ということで考えていたのですが・・・・



大工さんがちょっと工夫をしてみたところ、中段の上下でベニヤを切り開いてみました。どっちみち中段を解体するにしても壁の仕上げのベニヤは外す必要があるわけですので、まずはベニヤを切り取ったというわけです。さて、改修内容は、ここにもう一本の筋交いをたすき掛けに掛けることですw
この状態で筋交いを足すには、長い筋交いをどうするのか?ということですが、イマドキは金物の性能が非常によく、例の「ブレスターZ600」と「ブレスターX」の出番となりましたw
この「中段」を活かしたまま施工するためには、この筋交いにどうやって足すのか?というところです。ブレスターXを使えばこういうことができたりしますw


なんと、たすき掛けを掛け合わせ形状にして、長い筋交いを短く切って上下で対応ができたわけですw これで「中段」は活かした状態で施工できるわけです。そして、ブレスターZ600とブレスターXの取付ですw




もちろん、中段が綺麗に外すことができるのであれば、外して施工したほうがより施工性は上がるとは思いますが、お金がかかりそうな復旧をどうやってお金をかけないで施工するか?はこうした大工さんの工夫というものが重要になるわけです。