住宅ローン借入審査 その2

前回ブログに続きます♪

金融機関が申し込みされる方の調査を行うにあたっては、一般的に「信用情報」を扱っている機関に照会をかけることになります。

◎CIC(シーアイシー)CREDIT INFORMATION CENTER

「割賦販売法・貸金業法にて指定を受けた唯一の信用情報機関」として案内しているとおり、ここに加盟しているクレジット会社と契約したクレジットやローンなどの契約内容とか支払状況、残高なんかの情報を提供してます。つまり、○○クレジットとか、カードローンなどを締結していれば、基本的にこの機関に照会をかけることで現状での利用状況がわかります。

◎JICC(ジェーアイシーシー)株式会社日本信用情報機構

消費者金融会社、流通系・銀行系・メーカー系クレジット会社、信販会社、金融機関、保証会社、リース会社なんかが加盟していて、契約内容とか支払状況とか残高なんかの情報を提供してます。ネット通販などで月賦販売をしているところと月賦購入で契約すれば、その情報はここに照会をかけることで現状での利用状況がわかります。

◎全国銀行個人信用情報センター

全国銀経協会が設置、運営してて銀行に対して与信取引上の判断のための参考資料を提供してます。基本的に銀行との取引状況等の情報を提供しているところですが、実は、取引状況として「与信をかけたかどうか?」な情報まで取得できます。これ実は「後々重要」です。普段の生活で、月賦販売に契約したり、カードをつくりませんか?ということでカードをつくれば、その保持や契約状況を含め、すべて情報としては登録されていくということを知っていないとダメですし、そもそも、契約段階で「個人情報保護法による規制」に対しての「紹介、登録、調査に対する同意書」は別紙で取っているわけですので、「知りませんでした」とか「それって個人情報保護に違反するんじゃないの?」っていうのは、全く、通用しません。

さて、住宅ローンの与信をかけるというのには、2つのパターンがあります。これは「融資の形態」で変わるのですが、それは、

1.銀行独自で信用情報を判断し融資する方法(プロパー融資)
2.信用保証会社、協会などの保証をつけ融資する方法(協会付融資)

というものです。1は銀行単独で判断する融資ですので、その融資に対する返済不能などのリスクは100%銀行が負うことになります。2は融資に対するリスクの一部、あるいは全部を保証費として納めることで銀行のリスクを減らすタイプのものです。もちろん、この場合の保証費は、「保証料」として申し込みされる方が負担する仕組みになってます。

ちなに、2の保証協会には、2つの種別があって、

A.銀行の子会社的保証会社
B.全国信用保証協会

という形になってます。もちろんAのほうが保証料は安く設定されますが、その会社が保証を出すというのはある程度の年収や職種に限られることが多く、それに当てはまらない場合にはBとなります。また、Bにおいても保証グレードがあって、当然、年収および職種で数段階の保証料グレードがあります。

ここで、「後々重要」と書いた理由なんですが、利用する住宅ローンの形態が、1の場合には銀行が、2の場合には保証会社が、先に示した信用情報調査の機関に「紹介」をかけ、信用情報を審査することになりますが、紹介をかけたという「履歴」が残ります。紹介を掛けたという履歴が残るということは、例えば、プロパー融資での住宅ローンでは、○○銀行で住宅ローンの審査を受けたのち、△△銀行で住宅ローンの審査を受ける場合、△△銀行では、○○銀行で住宅ローンの審査を受けたことがわかります。これはかなり重要で、銀行側とすれば、「なぜ複数の銀行でローン審査を受けているのか?」という疑問がわきます。理由としては、みなさんが気になさる「金利」のために他行での審査申し込みをするということなんでしょうけど、それって与信をかけるまでもなく、営業チラシなどで金利情報を比較すれば済むことですし、その他のオプション的なものについても、かなり細かく案内があるわけで、どれをとっても与信を掛ける理由にはならないわけです。

つまり、「他行で与信をかけた」という理由は、金融機関としてみれば、「他行で断られたから自分のところにきた」という認識をかなりの高確率で持つわけです。だって、個人情報を他人が得ることを同意し、かつ経済状況を調べることまで同意するような与信手続きを行うっていうのは、そのくらい重要な行動なわけですから。となりますと、より深くまで調査するようになります。それは「なぜ他行が断ったか?」です。おそらく、なんらかの金融事故があるわけです。

そして、ここでかなりお気を付けいただきたいことがあります。住宅関係の営業マンが、与信手続きをすすめてくる場合があるのですが、これがかなり早期、それもまだ単に間取りや生活スタイルの検討を行っている段階で、与信申し込みを出してくることがあります。ある意味、住宅ローンの審査が通るかどうかが営業的にも成果に結びつくかどうかの分かれ道になるわけで、早期にそれを営業マンが知ることは営業活動の上で重要ではありますが、先ほど書きました通り、「与信を行ったことの履歴」が残ることを理解しないと、知らないところでリスクを抱えることになります。

次回は、もう少し、この「信用情報」について掘り下げたいと思います。

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