先進的窓リノベ2024事業

キャンペーンについて

もうすぐ始まります「住宅省エネキャンペーン」ですが、このキャンペーンは4つ柱から成り立っています。キャンペーンの内容は以前のブログでも紹介しました。

今日は、そんな中でも最も注目している「先進的窓リノベ事業」について掘り下げてみます。

開口部(窓)断熱性能の重要性

この「先進的窓リノベ」が目的とするところは、文字通り「窓」部分の断熱性能をアップさせ、空調関係のエネルギー削減を狙うものです。断熱性能が低いといわれる住宅において、もっとも熱エネルギーの移動が激しいのが開口部といわれる「窓」の部分です。壁などは熱が通り抜ける割合という意味では、全く断熱材がはいっていないとしても、壁を構成している様々な部材、そして厚みにより、複合的にある程度熱が通り抜けることに対しての「抵抗」があります。ですが、窓の部分ではガラスなどの薄い板状のもので外界と区切っているだけですので、断熱性能という視点では、ガラスなど単体の性能に左右されることになります。

熱が通り抜けるということは、ガラスなどの部分の温度も外気温に近づくので、冬であれば室内で暖房を焚いているとその空気がガラス部分に近づくと熱がより低いところに逃げますので、どんどん冷やされていきます。そして、ガラス表面の温度と室内空気温度に大きな差ができるため、「結露」などの原因にもなります。これらの問題に対してどのように対策するか?については「窓の断熱性能をアップさせる」という一言で済むわけですが、その方法にはいろんなやり方があります。そのやり方に対して補助を出しましょうというものです。その方法とは、

①ガラスの交換
②内窓設置
③外窓・ドア交換

です。

①ガラスの交換

現状のアルミサッシなどに嵌められている「ガラス」を断熱性能の高いガラスに交換するというものです。ガラスが嵌められているアルミ枠などは交換しません。ガラスのみです。イメージは以下のような感じです。

「先進的窓リノベ2024事業ホームページ、ガラスの交換」より

ガラス面から逃げる熱エネルギー量をできるだけ小さくするという意味での改修工事となります。補助額は以下の通りです(一カ所あたり)。

窓の性能区分
【Uw】
ガラスのサイズ
<面積>
大(L)
1.4㎡以上
中(M)
0.8㎡以上
1.4㎡未満
小(S)
0.1㎡以上
0.8㎡未満
極小(X)
0.1㎡未満
P(SS)
【1.1以下】
55,000円34,000円11,000円11,000円

【1.5以下】
36,000円24,000円7,000円7,000円

【1.9以下】
30,000円19,000円5,000円5,000円

【2.3以下】
0円0円0円0円

ただし、この手法では、枠については交換されませんので、ガラス面の結露の問題などは回避できますが、枠の部分への結露までは回避できません。とはいえ、窓が大きくなればなるほどガラスを交換した効果は期待できます。ランクS以上を推奨いたします。

②内窓設置

現在ついている窓の内側に、もう一組窓を取り付けるというものです。実はこの方法が一番おすすめだったります。理由は窓のなどの開口部がいわゆる二重サッシ化されるからです。既存のサッシと設置する内窓の間には確実に空気層ができます。おおよそ5~7cm程度になりますが、この空気層が断熱層として非常に優秀になります。そもそも断熱性能というのは、どのくらい空気が含まれるのか?というところが重要であって、その特性を大いに利用しているのがこの内窓設置ということになります。

「先進的窓リノベ2024事業ホームページ、内窓設置」より

ただし、この場合にも内窓に採用されるガラスの種類は重要です。補助額は以下の通りです(一カ所あたり)。

窓の性能区分
【Uw】
ガラスのサイズ
<面積>
大(L)
2.8㎡以上
中(M)
1.6㎡以上
2.8㎡未満
小(S)
0.2㎡以上
1.6㎡未満
極小(X)
0.2㎡未満
P(SS)
【1.1以下】
112,000円76,000円48,000円48,000円

【1.5以下】
68,000円46,000円29,000円29,000円

【1.9以下】
52,000円36,000円23,000円23,000円

【2.3以下】
0円0円0円0円

この手法では、サッシに対する「気密性」アップも期待できますので、その効果は設置してすぐにでも体感できるレベルとなります。Sランク以上が推奨です。

③外窓・ドア交換

この手法には2つのやり方があります。まず一つ目は、元々ついているサッシやドアから「障子」、「戸」を取り外して、元々ついている枠の中に新規を窓枠を取り付ける「カバー工法」といわれるもので、イメージは以下の通りです。

二つ目は、元々ついているサッシやドアを枠と障子、戸を外して、枠も含めて全体を取り換えるという手法です(はつり工法と言われています)。

施工性の観点からいいますと、一つ目の工法がよいです。ただし、元々の枠が残りますので、新たにカバーする枠の分、窓が小さくなります。また、例えば元々は開き窓だったものを利便性から引違い窓に変えるなども可能です。二つ目の場合は、例えばリフォーム工事などで外部も内部も工事する場合には採用したほうがよいと思われます。取り付ける窓については、イマドキの高性能な窓をそのまま採用できますので効果は期待できます。補助額は以下の通りです(一カ所あたり)。

外窓・ドア交換(カバー工法)
窓の性能区分
【Uw】
交換するサイズ
<面積>
大(L)
2.8㎡以上
中(M)
1.6㎡以上
2.8㎡未満
小(S)
0.2㎡以上
1.6㎡未満
極小(X)
0.2㎡未満
※外窓のみ
P(SS)
【1.1以下】
222,000円163,000円109,000円109,000円

【1.5以下】
149,000円110,000円74,000円74,000円

【1.9以下】
117,000円87,000円58,000円58,000円

【2.3以下】
0円0円0円0円
外窓・ドア交換(はつり工法)
窓の性能区分
【Uw】
交換するサイズ
<面積>
大(L)
2.8㎡以上
中(M)
1.6㎡以上
2.8㎡未満
小(S)
0.2㎡以上
1.6㎡未満
極小(X)
0.2㎡未満
※外窓のみ
P(SS)
【1.1以下】
183,000円136,000円91,000円91,000円

【1.5以下】
118,000円87,000円59,000円59,000円

【1.9以下】
92,000円69,000円46,000円46,000円

【2.3以下】
0円0円0円0円

まとめ

効果とコストを考えますと、やはり「内窓設置」というところがおすすめです。外壁の改修を行う予定があれば「はつり工法」による窓、ドアの交換というところです。あと、意外と玄関の寒さ対策も重要で、これに対してはドアのカバー工法がおすすめです。補助額は既存の大きさにもよりますが、大きさのボーダーの下限値付近ですと、かなりお得な感じがしています。家じゅうの窓を全部改修せずとも、居室と言われる部屋に対してだけでも行うとかなり冷暖房効果は上がると思います。一度、検討してみてはいかがでしょうか?

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