古民家カフェ

福井県には熊川宿、今庄宿といった昔の宿場町を伝統的建造物群保存地区として指定され、街並みの保全が行われています。もちろん、これらの建物は公的機関の所有ではなく、一般の方たちの所有であり、また、生活実態がそこにあるということで、伝統の保存と日常生活との両立という部分では、建物のメンテナンスなど結構気を遣う部分が多いです。景観条例による規制まではいかないものの、やはり後世に伝統的な建物として残していくというところで様々なご苦労があると思います。

さて、実は先日、今庄宿に行ってまいりました。ちょうど、「街道浪漫 今庄宿2024」というイベントの前日にいきました。おそらく当日はすさまじい人出で、ゆっくりと散策できないと思ったからですwww

今庄宿は「旧、北国街道」沿いに発達した宿場町です。江戸時代には福井藩の本陣も設置される交通の重要拠点として栄えていました。その街道沿いは古い町並みではありますが、いまだに地元の生活商圏として様々なお店が軒を連ねます。

これらのお店はいわゆる「町屋造り」といわれる形態で、建物両サイドには「うだつ(梲)」が作られ、防火上の備えも垣間見られます。「うだつがあがらない」のあの「うだつ」です。さて、街道沿いにはこのような商家が軒を連ねていますが、どの建物も道沿いには商売のためのスペース、そしてその奥が生活のためのスペースという間取りの取り方になっています。すでに商売はやめているところは、道沿いのスペースに部屋をつくったりと生活スタイルを変えていますが、そんな中で、建物をカフェにして現在も営業しているところをみつけました。まずは画像をご覧ください。

古民家カフェというと、建物の古さを良く見せるような設えにしますが、例えば、土壁の塗りを改修したりと何かと新しくしがちですが、みたところ「必要最小限の手入れ」を行い、できるだけ、昔の町屋の趣をそのまま残しているところが目を引きました。

客用のトイレに横には「耳付きの板」を天板にした手洗いを配置してありますが、古民家を意識してるということを全面に出すのではなく、風景の一部として溶け込むような造りになっています。また、2階への階段は、「階段箪笥」として作られているのですが、これもオブジェの一つとしてカフェの客席からさりげなくみせていました。

古民家カフェというと、とかく木材を造作材として使い、壁もしっくいなどで塗り替えて、こげ茶+白っていう感じの設えで綺麗にしていくというのをよく見かけますが、せっかくの古民家なので、時代の流れを感じる「古さ」をしっかりとアピールすることで、隠れ家的落ち着いた空間になっていると思います。

アイスカフェラテをお願いしましたが、こちらもたいへんおいしゅうございました。今庄はちょっとした散策にはもってこいの宿場町ですので、また伺ってお茶したいと思います♪

◎今庄宿とsou’s coffee roastery

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