新幹線福井・敦賀延伸に沸く福井県ですが、県内の観光地の賑わいも活発になってきていますが、今日は、越前市(旧、武生)の今立にある「和紙の里」をご紹介したいと思います。「今立の和紙」というと手漉き和紙が有名で、今立の和紙は、日本画用の手漉き和紙、鳥の子と言われる雁皮紙で作られる襖紙、局紙と言われる厚紙で証券、株券、卒業証書、版画用紙などに使われ、「お札のふるさと」と言われるほど技術が高く、大蔵省造幣局の工場があったほどです。
そうした和紙が作られる伝統がいまものこっている今立には、「越前和紙の里」という複合施設が整備されています。
その中で今回は「卯立(うだつ)の工芸館」をご紹介します。卯立の工芸館は、整備された通り沿いにあります。
この工芸館では、実際に紙漉きが行われていて、その作業の様子が工程毎にみることができます。また、和紙をつかった美術的な展示なども度々行われています。今回は、「薬師寺 散華展」が開催されていました。
この卯立の工芸館は、「ふくいの伝統的民家」の認定を受けている「古民家」です。中に入るとまず、紙漉きの工程の説明と、材料となる「楮(コウゾ)」、「三椏(ミツマタ)」、「雁皮(ガンピ)」などの加工の様子や実際の作業を見ることができます。
紙をつくるために材料の繊維質を使うわけですが、材料に含まれる不純物などは煮立てる工程である程度とれるものの、最後には人の手で一つずつ取り除いていくというすごく手間をかけている作業なのです。これがきっちりできないと、紙に不純物が混じった状態でできあがり、均一した色にはならないということです。できあがりの様ばかりではなく隠れた部分にこそ品質の大切さがあるということは、私どもの建築の仕事も同じだと思いました。
実際の紙漉きの作業風景も見せていただきました。「紙の厚さ」としては画像の場合、0.23mmの厚さらしいのですが、それが厚いと感じるのか、薄いと感じるのかは、紙漉きの職人さんの個人技によりかわるらしく、もっぱら「感覚」での仕事のようです。それでも、一人の職人さんが、同じ厚み、質感のものが何枚も作り上げることができるというのはすごいと思います。なお、ツルツルの紙の仕上がりは、ツルツルの木板の上に半乾きの漉いた紙を敷くことで作られるわけです。このあたりちゃんと説明してくれてるサイトを見つけたのでご参照くださいwww
「ふくいの伝統的民家」としての認定を受けているので、内部の作りも落ち着いた純和風です。
この日、夏の準備として「ゆとん」が敷かれていました。和紙の里には、「パピルス館」というところもあり、そこでは「紙漉き体験」もできます。
ご自身で漉いた紙を記念にどうぞ♪