建築物の防火避難規定の解説 2025

「建築物の防火避難規定の解説」が「2025」として販売されました。耐震性は省エネ性能などの設計審査については話題になることが多いのですが、発生率の高い火災などに対する建築物の「備え」として、防火、避難などについても、建築設計を行う上ではたいへん重要であると思います。

ですが、建築基準法に規定されている防火や避難に関する規定は、非常に内容がややこしく、また、すべての設計事例にピタッと当てはまるわけではないので、法的な解釈という部分ではケースバイケースでの判断になります。その場合、審査する側の方の認識や考え方などに左右されるわけですが、それが法規制という部分で微妙なズレがあると審査結果にもズレが出てくるので、極端に言えば、福井市ではOKだけど、敦賀市ではNGとなるということがあり得ないわけではありません。

また、この「防火避難規定」というのは、大きな火災などで尊い人命が失われますと、その事例を元に規制を強化したり、内容を変更したりとかなりの頻度で変更、改正がなされていきます。特に、法律的な条文として変更されなくとも、省令として告示が発布されたりなどは、かなりの頻度で日常的に行われています。

そこで、この「建築物の防火避難規定の解説」の出番となります。先ほど書いたように判断基準を事例を交えて解説しています。

前回の改訂は「2023」です。実は、すでに、弊社には、2012年版から改訂版があります。建築確認申請における法適合審査で、防火や避難規定の審査を行う場合に審査係の人で、この解説本を読まない、参考にしない人はほぼいません。従って、設計事務所として確認申請を行う場合に、この解説書を持っていないようなことがありますと、防火や避難規定のハードルが高い建築物については、なかなか確認申請が通らない結果となります。

確認申請上の防火や避難規定の審査で、これがダメ、あれがダメというダメ出しを審査からされることはもはや通例ですが、その原因の大半は、防火や避難規定そのものの理解や、判断、そして、手掛けている設計にどう当てはまっていくか?という部分で知識がないことが原因になります。審査から「これダメですよ?」という指摘があった場合、「でも、解説書のこの部分の事例として当てはまるのでは?」という受け答えができれば、審査からのダメ出しが引っ込められる結果にもなりますし、審査の係の方からは「勉強になりました」とすら言われることになりますwww

審査する側も法律をAIのごとく熟知しているわけではありませんし、また、規定法文が具体的な設計事例にどのような当てはまっていくのか?という部分でケースバイケースである以上、本来は、設計者がどのように法律を理解し、その運用を判断したのか?ということを言えない限り、複雑な防火や避難規定をクリアしていくことは難しいと思われます。

設計事務所なら持っていて当たり前の一冊ということになります。

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