「福井県教育博物館」では、現在、「創造とものづくり~技術・家庭科のあゆみ~」と題して、中学での教科である「技術・家庭科」で扱う学習内容の歴史的移り変わりを企画展示しています。ちょっと時間があったので先日、見に行ってきました。
小学校の「図工」や「家庭科」の時間とはちがい、中学の「技術・家庭科」の時間は、結構、専門性の高いことをさせられた記憶があります。男子でしたので、木工、金工、そして、電気でしたし、家庭科ではエプロンつくらされたりしましたw
その木工や金工の際に、私が習った技術・家庭科の先生はかなり厳しい先生でして、図面の書き方、読み方を徹底的に教え込まれたことを今でも記憶しています。昭和の時代ですので厳しさは想像にお任せしますが、木板の超仕上げの自動カンナを先生がかけてるときに、周りで騒いだ生徒の頭を、のこぎりの平たい板の部分で殴ったんですが、その際「機械に巻き込まれたらどうすんじゃ!死にたいんか!」と怒鳴ったを見ているので、こんな歳になっても、機械の周りでウロウロしないのが身についています。
さて、展示では、過去から現在にかけての、技術・家庭科で扱った教材の展示をしているのですが、すごくなつかしいです。
画像をみると、「あー、これ作った!」っていうのもあると思います。実は、建築を志すときにもっとも役にたったのは「製図」です。
線一本が持つ意味を徹底的に教わりました。太さの違いでなにを意味するか?がすごく重要で、形状を示す線、寸法線、補助線とそれぞれ、線の太さや線種を変えることで、モノづくりのための基本情報を示すというわけです。また、数字の書き方なども、ステンシルを使うことは許されず、手書きで、あの製図字体をかかされました。また、線の太さをそろえるために、鉛筆の芯を平たく削るとかも習いました。
今では、CADで図面書くのが当たり前になってるので、こうした手書きの図面作成ってのは、せいぜい、資格試験前に練習するか、高校、大学の専門課程で製図の時間で手書きでかく、ってくらいの機会しかないかもですし、手書きだとしても、鉛筆の削り方なんかも必要としないシャープペンシルを使うが一般的かもしれませんw
技術・家庭科での製図の時間に教わった内容で、いまでに意識してることが2つあって、1つは、
線や点で形状を表しているので、例えば、1点黒いものを書いたら、それが形状として見られるから、たとえそれが無意識のうちについた汚れであっても、書いたものの責任になる
ということ、2つ目は、
形状の線よりも寸法数値を書いたその優先順位が高いから、縮尺をあてにして形状を判断してはいけない
ということです。なんとなく、イマドキではCADでの入力では、原寸図を書いており、出力時に縮尺を合わせて出すというわけですので、寸法数値が違うというのはあまりないかもしれませんが、それでも手書きの図面なんかですと、平面図の右と左の合計の数値が違うとか、寸法数値そのものが違うとかもあるんで、私にとっての「技術・家庭科」は、いまでも非常に役立ってるというわけです。
先生、ありがとうございました。