改正基準法のセミナー講師

昨日、某不動産関係グループが主催する業界勉強会で、今回の「改正基準法」に関する勉強会・セミナーの講師の依頼を受け、その会に行ってまいりました。場所は福井市の「AOSSA(アオッサ)」という複合施設でしたが、AOSSA自体にあまり行かないのと、行っても食事程度なので会場がAOSSAときいて、どこでやるんやろ?wwwって感じでした。

今回、6階の会議室フロアーの「和室」にて勉強会を行いました。いつもは机と椅子のセミナー室ばかりですので、この和室での勉強会は結構、新鮮でした。

さて、今回のセミナーの表題ですが、こんな感じですw

セミナー講師のご依頼をいただくときに常に気を遣っていることがありまして、それは「話しの内容」なのですが、「できるだけ実務レベルでの話題」というものをご紹介することにしています。この種の勉強会やセミナーというのは、例えば制度などの会ですと、制度の概要説明などに終始するパターンが多いのですが、実務者が集まる勉強会ですので、実務上の「具体的な」問題や行動、手法が知りたくて参加されるはずです。

これまでもこのブログでテーマとして挙げてきた「改正基準法」ですが、ブログでも「何がどう影響するのか」ということを中心に書かせてもらっています。ですので、その延長での勉強会として、結構際どい話しもさせていただきました。参加されている方は、非常にプロ意識が高く、課題解決の意欲が高い、若手の不動産事業者の方ばかりですので、改正基準法がどのように不動産流通業に対する影響があるのか?という視点で最終的になにを理論武装する必要があるか?というのをご紹介しました。

例えば、これは賃貸や販売住宅に関する国の施策の方向性を国交省が打ち出している資料をベースに作成したレジュメですが、

賃貸マンション、アパート、中古住宅、新築建売住宅などで、その建物の「省エネルギー性能」の表示を、不動産広告などに併記させることを推奨していく流れを現在つくっています。もう国策として取り組まれる「省エネルギー」施策ですので、これが様々な業態に影響してくることは間違いないのですが、不動産業界においてもそれは例外ではなく、もう、はじまりつつあるということを説明いたしました。

こうなりますと、建物の「インスペクション」としての建築士の活動も重要になりますし、設計事務所としてのこの種の性能評価に関する業務というのは、もはや必須の内容になってきます。さらに、それらの問題の根底にあるのは、

「既存建物の評価と改善手法」

です。正直、新築はどうでもよいのです。少なくとも2025年4月以降の新築案件は、一定の省エネルギー性能を持たせることは「義務」です。よって問題ないのは「既存建物」なのです。不動産業界はどちらかというと家主さんから委託を受けた建物の賃貸管理や賃貸あっせんが主な業務です。そうなれば、顧客となる借主が「省エネルギー性能」に関して吟味する世の中になるということは、それに対応できるだけの資料を用意することになるわけですが、正直、その性能が現時点で求められるレベルになる可能性は低いわけです。この対策を販促として考えなければならないというのが、これからの賃貸物件に課せられた課題になると思います。

また、中古販売においても当然リフォームを行うということがありますが、その際に、大規模修繕・模様替えにあたる、いわゆるリノベーションでは一般住宅でも「確認審査」が必要となります。ですが、現実問題として検査済証もない賃貸物件は相当な数にのぼり、検査済証があること自体が珍しいとさえいえる状況です。そうなりますと、中古住宅の売買にあたって「検査済証がない」ことも重要事項説明書に記載する必要もあるでしょうし、購入される方がリノベーションの意思を持っていらっしゃった場合に、相当な確認審査上のハードルを抱えることになるわけで、この辺を不動産業界としてどう対応するのか?は大きな課題と言えます。

参加された方は非常に熱心で、若い活力に満ちた勉強会でした。久々に、こちらまで若返った気持ちになりました。またご依頼があれば講師を引き受けたいと思います♪

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