建築本体と外溝工事を「分けて」考えることが結構、普通に行われていることですが、外溝工事を後から行う場合には建物が隣地境界に接近していればしているほど作業は難しくなりますと、綺麗な仕事の仕上がりならなかったりします。
とはいえ、外溝工事まで予算を準備するというのも無理な場合が多いわけですが、例えば、将来的に隣地境界にフェンスを建てることなどが想定されるのであれば、先行して境界ブロックなどの下準備をしておくことで「施工を兼ねる」ことができます。また、隣地境界沿いには排水管の埋設もあるので、その配管埋設なんかも「一緒」にできるとすごくいいわけです。


地境の状況です。下水の公設枡がありますが、ここに建物の排水関係がつながります(雨水は分流です)。ということは、このラインに排水配管がくるわけですから、当然「掘削」が必要になります。ですが、地境には杭が打たれているだけで、明確な土地の区分がないわけですので、どちらかがブロックなどで境を明示したいと思うのが普通ですw
お客様のご要望としては、予算が許すのであればフェンスまでは建てたい!とのことですが、その予算についてはまだ現段階で微妙なところですw そこでまずは地境の明示をするために1段ないし2段のブロックを積むということになったわけです(これを地先境界ブロックといいます)。
単にブロックを並べたのではガタガタになりますので、ベースコンクリートは必要になりますが、そのベースコンクリートを作るためにも掘削が必要になります。場所的には地境で、そこには排水配管も通るわけですので、掘削の必要は、ブロックを建てることも、排水配管を行うことでも必要になるわけですw

さらに、当たり前ですが、建物内部への排水配管も必要です。設計上留意するのは、公設枡に対してある程度一直線に並ぶように配管を計画します。これを「外部メイン管」というわけですが、そこから「小口径」で室内各位置に配管を枝分かれさせることで、配管工事に関するコストを抑えるように心がけます。言い換えれば、建物の建設コストを落とすためには、このような設備ルートを平面計画の最初の段階で意識しないと、やたら管路の長い設計計画になってしまい、コスト高になるというわけですw
もちろん、ここでも「施工を兼ねる」ことは意識されます。水廻りが外部に面したところに存在する場合、その部分に配管を通していくための「掘削」が必要になります。当然、基礎地業のための掘削も必要なので、そこを兼ねることで施工コストはおちますw というか、時間的な部分も短縮できます。


というわけで、地先境界ブロックのベースと排水配管の施工と基礎地業の3つの施工を兼ねてみましたw
基礎地業完了段階で、外溝工事の基礎ベースも外部排水管の施工も終わることができました。この工程ですが、1日半です。すごく時短できましたw このように設計と施工を十分に検討することで、最終的な施工コストを抑えることが可能なわけです。


