県産材を活用した建築物への支援事業

福井県では、県内で生産された木材を一定数量使用した建築物に対して、補助金を出す支援事業というものを行っています。福井県は、海、川、山と自然あふれる地域で、昔から林業も盛んな土地でした。ですが、輸入木材の台頭、山間部の人口減少に伴う林業関係への従事者の減少などから、次第に林産業という部分では衰退をはじめました。その結果、人が管理しない山は荒れ放題になり、豪雨時には土砂崩れなどの災害が発生します。「治山」をすすめ、山を管理し、間伐を行いながら整備していくことは、単なる林業という産業振興だけではなく、防災という側面からも重要なわけです。

そこで福井県では、福井県内で生産される木材を積極的に活用することを推し進めるために、木材利用量が多い木造建築に目をつけ、以下のような支援事業を展開しています。

◎県産材を活用したふくいの住まい支援事業(新築)


◎県産材を活用したふくいの住まい支援事業(リフォーム)


◎県産材のあふれる街づくり事業(民間施設)


これらの支援事業は、構造や意匠、家具、そういった面で一定数量以上の福井県産木材を利用することで補助金を受けることができる制度です。そして、この制度の特徴は、年度末をまたぐような場合でも利用ができるという素晴らしい制度なのです。建築は通年を通して行われる工事ですが、これを予算執行に合わせた4月から翌年3月末までの事業として区切られると、補助金に合わせたスケジュールを行わなければならず、木材の調達に時間がかかったり、気象条件などで建築工事期間が長くなる場合において、結果として使えない「補助金」となりがちです。この点、福井県が行う県産材の補助は、その執行について先進的といえます。

また、これらの補助金を意識した木材製品も扱われるようになりました。例えば、「構造用合板」です。これは、間伐材を利用し、木材資源を無駄なく有効に活用するために、合板のプライ(単板)に、間伐材から桂剥きされたものを利用し、その他の樹種とプライを混ぜて使うことで強度を確保した構造用合板を製造しています。

また、同様に、間伐材から「ラミナ」を製材し、それを張り合わせることで、天然木の杉よりも強い木材を製造しています。

こうした県産材木材をうまく使い、お客様の住宅、非住宅、新築、リフォームにおいて、木材費の一部を助成をうけることで、価格高騰の今の情勢でも少しでもご負担を低減するという工夫ができます。弊社は、県産材活用という部分で、非常に高いご評価をいただいております。

木材利用による建築は、低炭素社会実現の上でもたいへん有効な手法であり、SDG’sの観点からの「地産地消」を実現する県産材利用による建築により、環境配慮、地域貢献といった部分に寄与することができます。福井県の活性化のためにも、ぜひ、県産材の積極的活用をお考えください。

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