福井市というところは、過去に被害を受けた「災害」が非常に多く、戦時中には空襲(昭和20年(1945年)7月)により市街地は焼け野原になり、そこから3年後、戦後復興が進み始めた昭和23年(1948年)6月には「福井地震」が発生、地震による建物倒壊、さらに火災により再び市街地は焼け野原となりました。
さらに、その地震の影響も冷めやらぬ1か月には、豪雨により九頭竜川が決壊。市街地は水浸しになり、まさに「泣きっ面に蜂」といわれんばかりになりました。それでも度重なる災害から復活し、その後も様々な災害を経験してきましたが、市民一丸となって復興してきました。市民には少なからずこうした災害復興の経験が刷り込まれ、防災意識は高いと感じています。そういった経緯のもと、福井市では、「不死鳥のねがい(福井市市民憲章)」を制定し、そのシンボルマークに「フェニックス(不死鳥)」が用いられています。
そんな中、福井地震の際の「学校」での対応記録が、「福井県教育総合研究所 教育博物館」にて公開されており見学してきました。展示は、当時の「学校日誌」で、教職員の方々の行動記録や学校としての対応記録などが記載されていました。
当時の学校は木造校舎が大半で、地震による甚大な被害を受けておりました。日誌では「福井市順化小学校」が夕方5時に発生した地震による、夜9時に類焼し「鳥有(ちょうゆう)に帰す」との記載から、焼失したことを示しています。また、翌日の早朝から教職員の方々が集まり、後始末にとりかかった記録もあります。また、残念ながら安否確認により、先生が一名お亡くなりになったことも記録されています。また、弊社の所在地にあります「豊(みのり)小学校」の記録もございました。幸い、地震による倒壊や類焼などの影響はなかったようですが、校内ではおそらく散乱物などで危険があったものと推測できます。教職員の方々も被災していると思うのですが、迅速な対応をされていたことが記録からも読み取れました。
さて、「福井県教育総合研究所 教育博物館」は入館は「無料」です。展示は福井県が輩出した科学者、研究者などの偉人の功績などの展示(以前、NHKで放送されていた、連続テレビ小説「らんまん」でモデルになった牧野富太郎先生と深い関係であった平瀬作五郎先生の展示もあります)、さらに、明治からの学校教育で使われていた教科書、教材などの展示などもあり、なつかしさを感じることもできます。福井県に設立されていた学校(廃校も含め)すべての紹介もありますので、訪れることで「一人同窓会」な感覚にもなります。
週末など休日は開館されていますので、一度、訪れてみてはいかがでしょうか?
福井県教育総合研究所 教育博物館
〒919-0461 福井県坂井市春江町江留上緑8-1
ふくい教育博物館
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