耐震改修とフルリノベーション

現在進行中のリフォーム工事ですが、目的は多世帯同居に向けた「フルリノベーション」がメインです。ですが、既存建物が昭和56年6月以前の建物ということもあり、また、能登地震の際に体感した揺れが大きかったこともあって、「耐震改修」も同時に行い、同居に向けた建物の不安材料を一掃しようという計画です。「フルリノベーション」は若世帯が生活の拠点とする2階部分で計画し、親世帯は1階を生活拠点としますが、水廻りについては世帯間で共通としています。

2階部分の内部解体がおわったところです。

まずは耐震性をアップするための耐力壁工事を先行させますが、その前に床のひずみが結構ひどかったこともあって、水平構面力強化も含めて、床の下地改修に着手しました。

画像をご覧いただくとわかると思いますが、建物には「ご家族が住んだまま」での工事です。普段の生活の場所を確保しながら工事を行っていきます。少々、ご不便をおかけすることになりますが、引越しに関わる手間は費用は浮きますし、なにより、知らない仮住まいに住むというストレスはないと思います。

そして、補強箇所に筋交いの設置や金物設置を進めていきます。また、通称「なんちゃって柱」が合った部分も耐力壁とする位置には梁を追加していきます。これだけ、広い空間での耐震改修ですので普段の狭いところで行う工事よりは楽なのは確かです。また、がらんどうになることで、不測の状況への対応も非常にやりやすいです。例えば、

ここでも、以前、ブログテーマにさせていただいた「まさかの筋交い」がありましたwww

もちろん、撤去して入れ直ししましたw それにしても、この時代の流行りだったんだろうか?とすら思える筋交いの入れ方です。

さて、フルリノベーションで間取りの構成を変えることはもちろんですが、省エネ性能も各段にアップさせることを心がけています。今回もSDN-SHEETによる遮断熱工法を「室内側施工」にて対応させていただきました。

この措置でほとんどの熱は小屋裏内で止まり、小屋裏換気口より排出されることになります。また赤外線はカットされますので、熱の室内侵入はほぼなくなります。このあと、壁面にも同様に断熱材とSDN-SHEETをしこんでいきます。また、窓は内窓設置の予定です。

しっかりと耐震性をアップさせ、省エネ性能もアップさせることをきっちり計画すれば、新築に劣らない計画ができます。既存の建物を壊すことばかりを考えるのではなく、今あるものをしっかりと活用していくということも重要な建築になってきています。

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