先日行われた「フクイ建設技術フェア2024」ですが、SDN-SHEET®の展示を見た方から、同様な遮熱関係のシートと、SDN-SHEET®の「違い」の説明を求められることがすごく多くありました。もちろん当日会場には他の技術を使っての遮熱シートの展示もありましたし、熱対策で悩んでおられる方はご自分でもネットなどで情報を探っており、同様な製品についての知識なども豊富でした。
ですが、最近、ものすごく多い問い合わせの一つとして、「製品を導入して熱対策を行ったが、その製品の劣化スピードが甚だしくわずか数年でボロボロになった」ということで、SDN-SHEET®はどのようなものなのですか?というお問い合わせです。
こうした遮熱シートなどの新しい分野の製品というのは、主に海外からの輸入商材として日本に入ってきており、輸入代理店から性能が高い商品として一般顧客に勧められるよりも、代理店形式をとったり、また建物に使う「建材」として位置づけ、建築工事会社へ代理店契約も含めた販売を行っている事例がたくさんあります。この場合、その商材の性能などを代理店契約の会社がつぶさに行い、比較テストなどを踏まえてメーカーが主張するスペックを確認しているのであれば問題がありませんが、その大半が「カタログなどの記載されているスペック」を鵜呑みにしているだけの状況です。
その一例として以下、画像を公開します。こちらをご覧ください。
取り扱っておられるお会社の名誉のために、一応、製品名などは隠しておきます。この製品サンプルには、スペックとして様々な内容が書き入れられていますが、その一部に、「特徴:腐食防止コーティング有」との記載があります。これを一読すると、表面には腐食が防止されている「コーティングが施されている」と認識すると思いますが、では、その「腐食」というのはどのようなものなのでしょうか?それって全くわかりません。それで、ちょっと実験をしてみました。
まず、LEDライトにより「電気通電性」があるか?ということです。コーティングがしてあれば、そのコーティングの存在により通電性がなくなることがありますが、しっかりとライトがつきます。従って、これにコーティングがなされていることが本当であっても、それは「通電性のあるコーティング」であることがわかります。つまり、絶縁性を担保しなければならない部位に使用すると危険であるわけです。
次に、ライトの横の部分をご覧ください。「業務用アルカリ洗浄剤」をふりかけました(洗浄剤の名称等は控えておりますが、成分などはわかるように画像を公開します)。
すぐに白濁の化学反応が発生しています。実はアルミは、酸にもアルカリにも弱い金属です。この試験の結果なにがわかるか?といいますと、腐食防止コーティングがあるとはいえ、それは少なくとも、「耐アルカリ」ではないということになります。
ここで建築に利用する場合に、この耐アルカリがどのような影響があるのか?といいますと、コンクリートは「強アルカリ性」であることから、新築時などに土間コンクリートの上にこのシートを保管のために置いておくと、他のビニールなどで養生すれば別ですが、アルカリに反応を始めるということです。また、シートを張ったあとで、コンクリート打設などの施工を行い、その際、コンクリートのしぶきのようなものが飛び跳ねシートに付着すればもちろん腐食が始まります。この白濁反応は時間と共に進んでいき、やがて孔があきます。
このようなことが、代理店契約を結ぶ際にすべて検証され、販売にあたって注意点として利用する人に説明できれば構いませんが、当日のフェアで同様なシートを販売しているところは、単に遮熱シートとしての熱に対する優位性のみ紹介するだけで、結果としてそこから流れるお客様が、弊社のブースで性能テストを見るといった皮肉な流れになっていました。
SDN-SHEET®は、開発・販売からすでに18年を経過しており、弊社の設計施工の建物に対しては、ほぼ100%標準施工として採用している実績があります。お客様からは電気代をはじめとするエネルギー消費量が少ないことを喜んでいただいています。また、製品の構成部材はJIS規格準拠のもので、すべて国産品ですので「しっかりとした物理指標」がわかります。
遮熱関係の建材採用の際には、しっかりとその化学要素をお掴みいただきたいと思います。