赤鬼と青鬼

北陸新幹線福井・敦賀延伸開業を記念して、現在、一乗谷朝倉氏遺跡博物館(通称、あさみゅー)では、建築家、内藤廣先生の作品の展示、「建築家・内藤 廣 北陸編 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」という展示会が行われています。先日、開業日に併せて施設を訪れた時に偶然展示を見ました。

内藤先生の北陸でなされたお仕事の数々の図面、模型などが展示されているのですが、それらの展示も素晴らしいのですが、内藤先生の心情のようなものを、「情熱的でロマンティックな発想の赤鬼」と、「控えめで禁欲的な正確で冷静なリアリストの青鬼」として擬人化して、日々の仕事の中で発生する様々な検討や考察の中での「心の葛藤」を赤鬼と青鬼の会話としてストーリー化されているパネルがありまして、それを読んでおりまして、内藤先生ほどキャリアもなく、技量も高くはありませんが、同じ建築に携わる者として「わかるわ~」と共感できました。

建築に携わっていますと「理想と現実」とのバランスをうまく調整することや、技術者としての思いを刷り込むことなどがうまくできないと、すごくストレスを感じます。理想は十分わかっていても、コストなどの制限で実現できないという現実にぶち当たることも少なくありません。結果として、どこで妥協点を探すのか?が仕事の主体になってしまうこともあります。こうした「生みの苦しみ」みたいなものを展示を見ていてひしひしと感じました。

展示は専門性を必要とする内容ではありませんので、建物に興味がある方であれば、どなたでも興味をもってご覧いただけるものと思います。また、建築を志す学生さんたちには是非みてほしい内容だと思います。

一乗谷朝倉氏遺跡博物館
〒910-2151 福井県福井市安波賀中島町8-10

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