耐震改修を行う際に、耐力壁を強化するということが主な改修作業になりますが、古い住宅独特の間取りというものもあって、それが耐震改修を行うことの負担になるような場合があります。特に階段部分については、間取りの構成上、かなり無理をしている場合があります。以下の画像をご覧ください。
まず一つ目の画像、押入の部分です。よくみると、部屋の床よりも上がってるところに押入があります。これには理由があって、二つ目の画像をみるとわかります。二つ目の画像は階段部分の画像です。階段がかかっている部分をすべて吹抜けた階段室とするのではなく、登り始めの部分で頭が当たらない程度まで1階の天井を上げることで、階段部分の吹抜部分に床をつくるというものです。主として「収納」や「押入」としてスペースをつくることが多いです。結果として階段は急な勾配になりがちです。
押入が階段にせり出しているような感じになっているだけなので、梁などが他と高い位置にあるとかそういうことではないので、壁を剥がせば普通に筋交いなどがみえてくるわけですが、せり出した部分の天井を外さないとちゃんとした確認や工事はできません。
そして押入の床の部分を外してみたのですが、「床」というより、モノを置いておくための「板」が敷いてあるだけのつくりでした。正直、がっつり床として作られているより、棚受け的に簡易に作られているほうが柱に対する影響は少ないので、これはこれでアリかもしれません。
この階段部分の壁は非常に狭い箇所の改修ではありますが、特にこの階段部分が建物の隅角部などの場合、絶好の耐力壁強化箇所となるので重要な場所となります。筋交い金物の設置や、面材の張り増しなどで壁の力を増強させていき、耐力壁を強化していきます。