先日、公益財団法人日本住宅・木材技術センターより「木造軸組構法住宅の構造計画 耐震・耐風性向上のための壁量計算等の基礎的な解説・演習から告示の最新情報まで【令和7年4月施行対応版】という図書が発売されました。

令和7年4月施行対応版と書かれているくらいですので、例の改正基準法施行開始を受けてのテキスト販売ということになります。この図書は、初版が平成30年10月なので、7年前に出されていた解説本です。本の内容は、以下の通りですが、いわゆる「構造仕様規定」を使った場合の壁量計算などを中心に解説されています。


非常に基本的な内容ではありますが、今回の版では改正基準法に合わせた形で再編されており、「柱の小径」などの新たに加わる評価方法の解説などの記載があります。単なる壁量計算や金物の計算についての解説もさることながら、構面に関する記載もあるので、正直、一通り理解していて当たり前のレベルのことではありますが、ちゃんとまとまっている1冊としては貴重な存在かもしれません。
そして令和3年度に行われた台風被害に対するセミナーでも「講習テキスト」として使われています。

このセミナーでは台風被害として屋根が吹き飛ばされたなどの事例から、「耐風」という部分での設計上の考え方や対応方法などを細かく解説されていましたが、「耐震」だけではなく「耐風」という視点でもしっかりと考え方を理解しておく必要があります。
今回、あえてこの話題に触れたのは、「耐震性」を考慮することはもちろん大事ですし、南海トラフへの備えとしても重要ではありますが、「耐風」という部分では近年の気候変動などで、台風以外の影響による暴風によって瞬間的吹く強烈な風によって被害が発生しているわけですので、十分に留意する必要があるわけです。
地震による被害よりも台風などの暴風による被害のほうが、その発生比率は高いわけですので、しっかりと備える必要はあります。まだ、手に入れていない実務者の方はぜひ手元に置いておくべき図書だと思いますので、購入をおすすめします。