中大規模木造建築物の構造設計の手引き(2025改訂第2版)セミナー

セミナー続きですw 今回は、木造でも住宅ではなく施設などの規模の大きな建築物に対する構造設計に関する図書「中大規模木造建築物の構造設計の手引き」を書かれた、東京大学名誉教授の稲山正弘先生による、2025年改訂第2版のセミナーでした。この「中大規模木造建築物の構造設計の手引き」は、通称「稲山の黒本」と言われるくらい、構造設計、それも木造の大型案件に関する設計を行う人にとってはバイブル的な存在なのです。

この本のカバーを外しますと、稲山先生が実際に設計されたときの考察ノートが、黒板に書かれたような形で掲載されていますw

なんとなく学生時代を思い出す感じですw これだけでもありがたくてしかたありませんwww

さて、稲山先生はこの「黒本」だけではなく、(公財)日本住宅・木材技術センター発行「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」という木造の構造計算の教科書の編纂にも携わられています。

今回の「黒本」の改訂とセミナーは、2025年4月施行の改正基準法を受けての内容も加味されており、実は、今年は構造関係の教科書的な本についての改訂ラッシュなのです。その大半の改訂に稲山先生が関係していることから、黒本改訂版には、それら教科書的な本の内容の一部先取りも取り上げられていますので、基準法改正のおさらいと深堀りが同時にできた感じです。

13時から17時半くらいまでの長丁場のセミナーでしたが、稲山先生のお話しなる内容は、「学者」としての視点ではなく「施工するための設計」を論じられており、できるだけ無理のない構造設計をすることを抑えられてお話くださいます。

構造関係のセミナーの多くは、「そんなこと言って、現場ではどう対応する気だ!」とか「いったいいくらかかるとおもってるんだ!」というツッコミを入れたくなる話しが多いのですが、稲山先生の「黒本」は如何にコストを抑えつつ、省施工で、無理のない構造を実現するか?を念頭に書かれていますので、我々のような現場の人間には本当にありがたいバイブルなのです。

今日、お教えいただいたことを元に、もっともっと研鑽していきたいと思います。

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