今日は、毎月第三金曜日に放送している、FBCラジオ「午後はとことん よろず屋ラジオ 福登建設の「快適!家づくり研究所」の放送でした。今日のテーマは、先日ブログでも取り上げた、「積雪を考慮しない建物の危険性」をテーマにお話しました(京都大学 中川貴文先生、ご協力ありがとうございました。)。
積雪を考慮しない建物は、新耐震基準で建築されている住宅、言い換えれば、昭和56年以降の建物でも倒壊の可能性があるというということを、WallStatという解析ソフトを利用して計算してみたところ、結果として、能登地震の地震波(輪島で観測)を入力すると倒壊するということなのです(積雪1m考慮)。
また、旧耐震で耐震診断を行い、補強プランを作成し、そのプランにより耐震改修を行うということについては、少なくとも福井県においては「積雪1mを考慮」というものが評点上の条件になっておりますので、これも結果として、旧耐震の木造住宅をちゃんと耐震改修を行うことにより、積雪荷重にも対応した耐震性を担保した住宅に生まれ変わるということなのです。
このことは、「確認申請」という法適合審査の仕組みなどにも問題があり、事実上、住宅レベルの耐震性の確認は、4号特例という制度にて審査省略されていること、また、審査を行うとしても、建築基準法に記載されている「仕様規定」というものに準拠していればよいというレベルでは、「積雪荷重の考慮」はなされていないのが現実であることから、仮に降雪があり、屋根に雪がのっている状況においては、新耐震基準で建築されていても倒壊の危険性があるということになります。
また、積雪荷重の考慮を建築基準法に記載されている「仕様規定」に対して割増しを行ったとしても、どのくらい割増しを行うか?という部分では、設計者の判断によるもので、明確に積雪の深さに対しての検討はおこなっておりません。この問題をクリアするためには、積雪荷重をちゃんと考慮した上で「構造計算」を行う必要がありますが、これが、法的な審査で求められていないということを理由に、計算されないことが慣例になっており、さらに単に仕様規定に準拠することで構造的な検討がなされているものという説明を行っている業者が大半です。
雪をはじめとする荷重に対する安全性の評価は、「構造計算」以外に評価方法がないことをご理解いただければと思います。
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午後はとことん よろず屋ラジオ | FBCラジオ | 2024/02/16/金 13:00-15:00
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