アルミの耐汚染性

先日、2024NEW環境展&地球温暖化防止展で、有限会社FKTlabで研究販売している「SDN-SHEET®」と同じような「遮熱シート」といわれるものが多数出展していました。ですが、そのシートの主原材料であるアルミの品質についてしっかり言及しているところは皆無でした。もちろん、SDN-SHEET®はアルミ箔(JIS H 4160)を使用していますし、SDN-Wをはじめ、SDN-SSには、保護コーティングがしてあるために、耐汚染性にも優れています。

ところが、遮熱シートは「アルミ箔がはってあればいい」という考えで作られているような、海外製のものなどには、そういった保護コーティングはもちろん、アルミ箔自体の品質などを吟味している例はありません。ですが、そういったことを理解しない業者が、遮熱ができるということだけを取り上げて、如何にも製品仕様が優れていると言って販売している事例があります。また、そういった製品ほど高価で、SDN-SHEET®の倍以上の価格で取引されている例もあるようです。

2024NEW環境展&地球温暖化防止展の展示会でも、有限会社FKTlabのブースにお見えになった方が、他社製品のコスト高や、そういった品質上の問題を指摘し、「胡散臭い」ということをおっしゃられる方もおられたのですが、そういった方に、SDN-SHEET®の品質や物質構成などを説明し、かつ価格帯をご説明すると、ほとんどの方がびっくりされておりました。

さて、品質という点では製品に使われているアルミ素材も問題ですが、建築的な材料として使う場合には金属としての「耐汚染性」という要素は重要です。例えば、何の処理も施されていない鉄板を屋根に葺けば、あっという間に錆て劣化し、放置すれば孔が開き、屋根としての機能を果たさなくなります。構造的な金物も亜鉛メッキなどの表面処理を施すことで、湿度などの水気に対して十分た対応ができるようにもなっています。これと同様なことを「遮熱シート」としても求められるわけです。そこで、「簡単な耐汚染性のテスト」を行ってみました。

SDN-SHEET®も含め、各社で扱っているシートに「アルカリ洗剤」を垂らしてみました。その結果が以下の通りです。あえて、SDN-SHEET®以外は製品名を伏せております。

本当は垂らす瞬間から動画を撮ればよかったのですが、そんな時間もなく、垂らした瞬間から発泡と白濁がはじまってしまいました。アルミはアルカリや酸に非常に弱いです。ですから、アルミ製品はその表面を「アルマイト処理」などを施しある程度の耐性を持たせます。それでもその耐性はすごく頑固であるか?といえば、そうでもありません。何かの薬品のようなものがかかっても、すぐに拭き取れば問題はない程度です。

ですが、アルミがそういったコーティングがなされていなければ、酸やアルカリとすぐに反応が始まり、白濁し、やがて「黒色変化」が起こってきます。ちなみに、コーティングがないアルミ遮熱シートを、建築現場で土間コンクリートなどの上にそのまま置いておくとほぼ1日程度で黒色変化が発生してしまいます。

また、畜舎などでコーティングがないシートを使えば、糞尿やエサ、さらに清掃のための水しぶきなどが飛散すれば、アルミ表面に酸やアルカリのものが付着し黒色変化が発生してきます。黒色変化が発生したアルミ面は遮熱性能としては各段に低下していきます。つまり、なんのコーティングもない遮熱シートが使われれば、劣化が始まり、結果として遮熱性能は劣化と共に低下していくというわけです。

これが高コストで遮熱シートを採用したお客様にとって何を意味するか?はお分かりになると思います。建築に携わる者として材料の特性を知ることは絶対であって、その劣化のスピードや可能性、そして劣化したときの性能に対する影響は知っていて当然なのですが、上にあげた製品を販売している業者の大半はそれを知らないで販売しています。その点を今回の2024NEW環境展&地球温暖化防止展では、ブースでの説明で十分に時間をかけました。

実は、来月にも暑熱対策の展示会が九州で行われますが、その際には、この「耐汚染性の比較実験」を「そのまま」展示会ブースにてご披露しようと考えています。

SDN-SHEET®については、「有限会社FKTlab」へお問い合わせください。

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