柱の引抜力に対応する金物 ~N値計算式変更~ #1

先日、国交省からびっくりするような資料の公開がありました。それは、「改正基準法 2階建ての木造一戸建て住宅(軸組構法)等の確認申請・審査マニュアル」です。

これを見て、「それ、ずいぶん前に基準法が改正されるからって、マニュアルとして配布されたものじゃんwww 今更なにいっての?www」って思ったアナタwww 「なにいってんの?www」は、そのままお返ししますwww よーくごらんください。「2024年9月 第2版」って書いてありますよね?新しいんですよw 去年とか今年のはじめくらいに研修会なんかでつかったマニュアルより「新しい」わけですw

そして「なにいってんの?」な人に言いたいのは、「中身見ました?」ってことです。これが巷では大騒ぎになってる内容で、様々なところで影響が懸念されているんですが、理解してますか? 今回のブログテーマから、何回かにわけて解説をしていきたいと思います。

さて、なにが新しいか?やばいか?っていいますと、この画像です。

「柱頭・柱脚の接合方法ってN値計算とかでしょ? 別に、いままでとなんにも変わらんでしょ? なに煽ってんの?」って思ったアナタwww そんなアナタは、一応、実務レベルではちゃんと仕事なさってるのですねwってところは評価しますけど、よーーーーーーーーく御覧くださいw そして老眼かもしれないので、もうちょっと画像を拡大して問題のところをお示しします。

まだわかりませんか?www もっと拡大しますwww

かなり、拡大しましたwww なんか、掛け算増えてませんか?w そうですw これまでのN値計算の式で算出されるN値に対して、

「階の横架材上端間距離/2.7」

が掛ける計算式になってます。階の横架材上端間距離ってのは、1階ですと、土台天端から2階の腰組の梁天端です。イマドキですと、だいたい3.0~3.1mくらいでしょうから、この式から数値を割り出すと、3.0mとして、

 3.0 / 2.7 ≒ 1.12 

って感じです。つまり、算出されるN値は、約12%程度「増加」するってことです。これがどんなことを意味するのか?というと、

2025年4月以降着工建築物から、要求される引抜力が12%程度大きく要求される。

ってわけです。もっと言い換えますと、

2025年4月施行の改正基準法からは、従来より、引抜力を12%程度大きく評価して検定する。

ってことですので、これまでの建築基準法の仕様規定で評価してた引抜力に対応していた金物では、今後対応できない可能性がある箇所が出てくるというわけです。例えば、2023年に設計施工した木造の建物に取り付けた金物で、N値計算で評価して金物を選定していたもので、検定比に余幅がない、つまりギリギリのものであると、その建物に対して増築などの行為を行う際の既存部は、この柱頭柱脚に対して「既存不適格」となる可能性が出てきたというわけです。

緩和規定を使えばそういった建物でも問題はないかもですが、そうでない場合、現行法の仕様規定に準拠させるってところでは、既存の金物を「打ち換える」必要も出てきたわけです。

で、それが、もうすぐ来年wwwっていう今頃になって、国交省が打ち出してきたというわけですwww

というわけで、次回のブログテーマでは、このN値計算そのものを根本からおさらいしましょうということで進めます。なによりも、自分のために!

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