耐震改修工事と監理報告書

耐震改修工事を行うことでの補助金申請では、厳格な監理報告書を求められます。このとき、現場施工をおこなって当初の計画と少しでも差異が出る場合には原則として変更承認を受ける必要があります。よくあるパターンとしては、計画では既存の柱があると想定していたものが解体で柱がなかった場合や、既存の筋交いがあると想定していたものが、施工不良も含め入れ替える必要が出た場合などですが、とにかく、補助事業として当初計画していた数量が変わる場合には変更承認が必要であるという、ある意味、メンドクサイ手続きなわけですw

はっきりいいますが、この点は、補助事業としての「書類上の問題」であって、耐震改修工事の問題ではありません。対応する方法はここでは書きませんが、いろいろありますwww

そして「書類上の問題」ではありますけど、実際には「耐震改修工事監理」が必要なわけで、この監理を行うことができるのは、補助事業を受ける場合には、「建築士」であり、「耐震診断士」であることが必要です。補助金を受けないのであれば、建築士でさえあれば工事監理はできますが、補助金を受けるためには「耐震診断士」が監理するということが要件です(福井県での補助制度の場合)。

そこで必要になるのが「木造住宅耐震改修 工事監理報告書」というものです。

そして、さらにその監理の過程で撮影した写真記録も同時に必要になります。実は、補助金申請上は、この写真記録のほうが重要になります。

補助金は、対象となる工事経費に対する補助ですので、当初の計画通りか、あるいは、変更した内容にて確実に「仕様」及び「数量」が工事されたことが確認できなければなりません。つまり、工事写真は代表的な部分の写真だけでよいわけではありません。計画で指し示したすべての箇所の写真が必要になるわけです。

例えば、以下のような改修計画を立案したとすれば、そこに取り付ける計画をした金物がすべて施工されていることを確認できる画像が必要となるわけです。

耐力壁1か所につき、以下のような画像が必要になってきます。

・解体前
・解体後
・筋交い新設あるいは既存の筋交い
・柱の柱頭柱脚の金物
・筋交いの金物
・壁の復旧工事(下地と仕上げ)

という形での写真記録になりますので、1か所あたり十数枚にもなります。そして、万が一、撮り忘れなどがありますと、補助金審査としてはNGになりますので、壊して撮影してくることになります。これらの画像は、税金を原資とする補助事業ですので「会計検査」では当然見られる資料になりますので、漏れや落ちがあれば後々指摘としてあがってくる可能性があるというわけです。

こうなりますと、写真点数は数百枚、改修規模によっては千枚近くになりますので、もはやソフトウエアの力を借りての写真監理になります。写真点数が多くとも軽快に動作し、写真に対する説明書きなど作業性も高いものが必要になります。弊社では、土木・測量用の画像管理ソフトを使用しています。

土木・測量では大量の写真を扱うことから、多くの画像を軽快に処理できます。建築用のものは残念ながら写真点数に上限があるものや、大量になると動作が遅くなるものが多いので使い物になりませんでした。

いずれにしても、耐震改修工事の補助事業では最終的な書類作成に難儀することは明白です。3月の頭までに3軒分の改修工事の補助金申請が待ってますwww

タイトルとURLをコピーしました