地盤の状況が知りたくて、いろんな資料をWEBで漁っていたのですが、ひょんなことからこんなサイトをみつけましたw
「ジオ・ステーション」というデータサイトですが、「国立研究開発法人 防災科学技術研究所(以下、防災科研)」が管理している国の情報サイトです。防災科研では、地震や気象に関する防災情報をリアルタイムに提供しているのですが、その中の公開情報の一つとして「ボーリングデータ」の公開というものがあります。

これは、国、県市町、その他外郭団体等がこれまで発注した地質調査データを、個々の組織が防災科研のサーバに登録することで全国で調査された調査データを閲覧できるポータルサイトなのです。画像で緑の丸印がついていますが、これは「福井県土木部」が登録したデータの存在箇所を示しています。ところどころに黄色の丸もみえますが、こちらは「土木研究所」のものです。
これらのボーリングデータは、例えば道路整備をする際に調査した結果であったり、公共施設の建設に際しての調査であったりと、公共工事の中で得た情報でそれを集約して閲覧することができるというわけです。

登録されているデータがボーリングデータですので、土質柱状図というものがしっかりと登録されています。

また、個々のボーリングデータを表示するだけではなく、連続的に柱状図を配置して土質の分布を検討することもできます。例えば、これは福井市の大土呂駅の近くにあったボーリングデータなのですが、ここら辺にあったデータを連続的に評価するために、赤のラインを引くと、その近辺のボーリングデータを拾ってくるという便利なものですw

そしてこれらを表示しますと、こんな感じで出力されます。

この柱状図の状況を連続的に見れると、概ね、同じような地質層の連続性が考えられると、柱状図と柱状図の間もおおよその判断ができるわけです。さらに、柱状図データは「標高」というものをもっています。ボーリングデータは観測地点の地面を0(ゼロ)として掘り下げていくわけですが、それあくまでも相対的な数値で柱状図では「深度」と言っています。これに対して柱状図データの絶対的な高さ位置を「標高」として表しているわけです。このように横断的に表示され「標高」をベースに高さをみると、そのエリアの起伏状態も掴むこともできます。
さて、土質データを得ることができるとなにがメリットであるか?と言いますと、基礎から伝達される力は地盤に流れるわけですので、建物の重量や地震時の作用力などの影響で、その力が地盤が持つ耐力より大きければ地盤は変形します。よく地盤沈下したという話しがありますが、まさにそれです。
それを防ぐために、結構、地盤についての強い、弱いを判断する方法があるんですが、実は最大限に信頼できる調査方法は、このボーリングデータを採取するというやり方なのです。住宅を建てる際にSWS試験やレイリー波探査試験などを行いますが、あれは、簡易的に測定した結果から地盤の強さの評価をしているわけで、実際の地質状況を評価しているわけではありません。したがってより精度の高い評価を行うためには、ボーリング調査を行うということになりますが、これを一般的な住宅で行うにはかなり高コストになってしまうわけです。
でも、ボーリングデータによる判断も、SWSやレイリー波のような簡易調査であっても、実際に地盤の強さの指標になる大元の数値というものがあります。それが「N値」というものです。標準貫入試験というものですが、採取した土のサンプルにハンマーを落として、30 cm貫入させるのに必要な打撃回数を測ることで土の「硬さ」を判断しようというものです。
この「N値」ですが、非常に優秀な数値で多くの研究結果から、単なる打撃回数にすぎない値から実際の耐力を導かせる研究がなされています。SWSでは「換算N値」といってロッドの回転数とN値の関係を実験から得た関数で判断しているのですが、あくまでも「換算」であって、実際にサンプルに対して打撃回数を評価するボーリング調査とは精度が違うのです。
もちろん、SWSやレイリー波探査がデタラメってわけではありませんし、素早く判断できるという視点では非常に有効な手法ではあるものの、どうしても簡易的な判断である以上、より安全側になるように数式設定されていることから、ボーリング調査よりもかなり辛口の評価で判断されることになります。
もちろん大規模建築などで、杭基礎でなければ到底建物を支えることができないなど、地盤面の評価に神経を使わなければならない場合には、実際にボーリング調査を行うわけですが、設計当初である程度の判断をつけるのであれば、建設地周辺の「土質状況」を掴み、地盤の支持力を想定することは経済設計にもつながる第一歩なわけです。
これが今日、ある程度データが集約されてきて、この「ジオ・ステーション」のようなサイトで情報取得ができるというのはたいへん大きなメリットになります。


