大聖寺 鴻玉荘

歴史のある木造家屋をWEB上で物色しているせいか、その筋の情報が結構な頻度で表示されますw ここ最近よく表示されるのは「大聖寺 鴻玉荘(だいしょうじこうぎょくそう)」で、結構、気になってました。雪が融けたら行こうとおもってましたが、今日、早速いってきましたw

「大聖寺 鴻玉荘」は旧、新家家邸宅で市の有形文化財に指定されています。

画像は施設の案内看板ですが、道路沿いに面しているのが「主屋」で、奥にあるのが「鴻玉荘」です。主屋は大正14年に建築された「料亭高砂」で、それを大同工業の社長様が買い取られ住居としてお使いになられたもののようで、「鴻玉荘」は、昭和22年に建築された「客座敷」としての建物です。いわゆる迎賓館的な存在だったと思われます。

まずは「主屋」です。

内部は歴史的資料の展示室を兼ねていますが、作りはそのまま伝統家屋そのものです。

建具の組子の細工も美しい美術品です。

縁側からは庭が眺められますが、この縁側の建具が「引違い戸」ではないのです。作り方としては「雨戸」と同じなのです。ちなみに、雨戸はありません。

この縁側の戸の開閉は完全に開けるか、閉めるかの2択なわけですw おそらく、夏場はこの縁側の戸を全開放し通風による涼をとったと思われます。冬は逆に閉めっぱなしという感じでしょう。主屋の2階の縁側も同じような作りですが、しっかりと2階の対策がなされていました。

常時、全開放されていることを想定して、縁側には「手摺」が設置されています。

縁側を望む座敷から見ると、縁側の戸が全開放されることで通風が確保されることがよくわかります。この主屋の設えを見ていて思ったのですが、鴨居の高さがよく目にする昭和20年代やそれ以前の建物よりも高いことに気が付きました。おそらく、鴨居と敷居の内法でという感じです。また柱間は加賀間ですので、福井での旧家にみられるような寸法よりも小さいです。イマドキの建物と同じレベルです。

「鴻玉荘」のほうです。

玄関を入ると出迎えるためのスペースとして、いわゆる玄関ホールというような「板の間」ではなく、畳の間としています。おそらく、和装でのお出迎えのため膝をつくこともあるために畳の間にしていることも考えられますが、もう一つはいわゆる「断熱材」としての設えかと思われます。

1階には至る所にスキップフロアがあります。一見、無駄な感じにも思われますが、空間の高さの変化を来客者にも与えて、ある種の「驚き」を印象付けるのではと思います。そして圧巻なのは「座敷」です。

赤い壁仕上げです。そして、もう一つが、青い壁仕上げです。

来客のもてなしを考え、単に和風の設えというわけではなく、内装や建具で雰囲気を作り上げていくという「建築の粋」が見受けられます。

そして、日本庭園とそれを楽しむための縁側の配置を重視しているのですが、通風を考え、確実に2方向で風通しを考えている点も見逃せません。単に豪華な設えを備えているだけではないってわけです。

そして、庭には「茶室」として「離れ」があります。

これが茶室の設えかどうかはちょっとわからないのですが、にじり口の障子がちょっと不思議な感じでした。

障子戸なのですが、障子紙を裏表、太鼓張りにしているんです。だったら襖戸でもいいとは思うんですが、あえて障子紙なのかわかりません。

また、建物には造作材として「自然木」がそのまま使われています。

屋根はたぶん2重屋根で軒側は単に「造作」としての仕上げで構造体のほうは普通に作られているようです。ですが、化粧垂木をそのまま「自然木」それも白樺の木をつかっているのがすごいです。また、枝ぶりがまっすぐのものを選りすぐっているんでしょう。窓の格子もそのまま枝をつかっていますw これ大工さん大変だったと思います。

この建物の見学ですが、実は「無料」です。無料でこのような歴史的建造物がみることができるというのは非常にすごいことだと思います。整備やメンテにも費用がかかると思いますが、それを自治体が一気に引き受けているというところもすごいと思います。建築物に興味がある方はぜひご覧ください。

◎大聖寺鴻玉荘
 〒922-0801 石川県加賀市大聖寺関町2−1

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