住宅でも非住宅でも北陸で建築するなら「雪」を無視した設計など絶対にできません。日常的に設計で構造計算を行っているならば、雪下ろし低減があったとしても1mの積雪荷重を考慮した上での設計になるわけですが、これがどのくらいのものか?というとこんな感じですw

また福井県では以下ののような積雪荷重に関する「条例」が制定されています。
◎福井県積雪荷重等指導基準
(趣旨)
この基準は、積雪に対する建築物の安全性の向上を図ることを目的とし、建築基準法(昭和25年法律201号)に定めがあるもののほか、積雪荷重等の取扱いについて必要な事項を定める。
第1 積雪荷重の割増
次に掲げる建築物(住宅(併用住宅を含み、共同住宅および長屋を除く)(以下「住宅」という。)を除く)については、特に豪雪をはじめとする災害時の安全性を確保するため、建築基準法施行令第82条第2号の規定による多雪区域における長期積雪時の積雪荷重によって生じる力に乗ずる係数は1.0とする。
ただし、屋根形状等により雪が滑り落ちることが明らかでかつその周囲に充分な敷地内の空地がある建築物の場合または建築基準法施行令第81条第2項第1号ロに規定する「限界耐力計算」により安全さを確かめている場合はこの限りでない。
(1) 鉄骨造等屋根自重の軽い建築物
(2) 長スパンの建築物
(3) 屋根面積の大きい建築物
(4) 軒の高さの高い建築物
(5) 公共性のある建築物
第2 雪おろしによる積雪荷重の低減
1 建築基準法施行令第86条第6項の規定は適用しない。ただし、住宅についてはこの限りでない。
2 前項の規定にかかわらず共同住宅、長屋については垂直積雪量を2メートル以上として適用できる。
第3 雪の落下による危害の防止
落雪による危害を及ぼすおそれのある建築物には、雪止め等の措置を講じるか、または敷地内に適当な空地を確保する。
第4 雪の集積し易い部分に対する荷重の割増
谷、軒先、下屋、渡り廊下等雪の集積し易い部分に対しては積雪荷重を割増して計算する。
第5 外壁に及ぼす積雪側圧
建築物の外壁に接する積雪が多量の場合には外壁に及ぼす積雪の側圧を考慮する。
第6 雪おろしのための措置
建築物およびその敷地には雪おろしが容易にできるよう必要な措置を講じる。
第7 積雪荷重の表示等
建築基準法第20条第1号から第3号に規定する建築物には積雪荷重の実況について別紙様式に定める表示を行う。
ざっくりかくと、
・重要な建物や規模の大きなものは長期積雪荷重として0.7Sではなく1.0Sとすること。
・住宅以外は雪下ろし低減はできない。
・吹き溜まりになる箇所は積雪荷重の割増しをしろ。
・外壁に積もった雪が作用するなら側圧を考慮しろ。
そして、
・雪下ろしできる空地を敷地内に用意しておけ。
という感じです。一般的な戸建て住宅の場合は、ここまでガチガチに積雪荷重を考慮することは求められませんが、それでも雪下ろしを前提として考えられているので、建築基準法施行令第86条第6項の規定による「1mまで積雪荷重を低減する」ってのを使えるときと使えないときがあります。
例えば木造住宅の3階建ての場合などでは構造計算は審査対象になりますが、その際に、積雪荷重を考慮するにあたって単純に「1mに低減」などというと、敷地に雪を下ろしておけるだけのスペースがあるのか?という指摘が入ったりしますw なければまともに見ろってことになりますので、福井市内でも2mってわけですw
最初に紹介した画像では、積雪荷重が3000N/㎡となってましたが、2mになれば6000N/㎡になるだけでのことですw でも、その画像をよく見れば、建物重量と同じレベルの積雪荷重を考慮するわけですので、平屋でも2階建て分の重量ですし、2階建てなら4階建て分の重量になるわけですwww
この重量を考慮して「耐震等級」を考えますと、雪の降らない地域のほぼ倍の水平力を考慮することになるわけですw これが何を意味するか?といいますと、雪の降らない都会の住宅で耐震等級3を取得できたとしても、そのままを福井にもってきて、福井の想定荷重をかけた場合、耐震等級3はおろか2にも到達しない可能性が高いというわけですwww
これが緩和されている住宅での話しですので、ほぼ緩和のない非住宅の場合、相当な構造的な工夫がなければ、木造であれ、鉄骨であれ、RCであれ、簡単には設計できないってことになります。特に木造の場合には柱の配置や梁の架け方を工夫しないと、凄まじいコスト高になるだけでなく、思ったような間取りを構成することも難しくなります。
従って、北陸で雪を考慮して耐震等級を2や3の性能を担保するというのは、結構ハードルが高い話しになるのですが、意外と知られていませんw まぁ、でも、それを当たり前にやるってのが福井の家づくりってわけですがwww


