資材の不足と高騰

「イラン・ショック」による影響が出始めました。4月の上旬ですでに予測はされていましたが、7~10日にかけ、事態が深刻化してきました。停戦合意などで風向きが変わるか?と思われたのも束の間、停戦合意に至らずということで益々事態が悪い方向に向かってしまいました。

おそらく今回の国際問題による影響は「原油高」という側面でしか注目されていないかもしれませんが、石油を主原料とされる石油製品は様々なところに使われていて、プラスチック、樹脂、溶剤など多岐にわたります。一般的に注目されるのは「ガソリン価格」ですが、単に燃料代の高騰や不足ではありません。

1970年代に「オイルショック」を経験していますが、このときの原因は、原油価格の値上げと生産量の削減によるものですので、今回の原因は戦争による海峡封鎖ですので、削減とか値上げのレベルではありません。国際紛争を武力で解決するという状況では見通しはつかないわけですので、かなり厄介な状況です。

弊社子会社のFKTlab有限会社においても、遮断熱シート「SDN-SHEET®」も空気層を作っているポリエチレンシートの部分の生産量が極端に落ち込んでいるために不本意ではありますが、生産量の調整と価格改定という措置をとることになりました。

価格高騰だけならまだしも、石油製品の供給量が減ってくれば生産量の減少もあるわけですから、正直、価格に転嫁できているうちはまだ良いほうかもしれません。現段階では、塗装で使う溶剤が店先からなくなっている状況ですし、断熱材や接着剤も少なくなってきています。製造メーカーではある程度のストックはありますが、それらのストック量はせいぜい1か月から2ヶ月程度ですので、4月にある程度確保できたとしても、この先の供給量には不安が残ります。

製造現場を知らない人は、原油輸入量が減ってきても備蓄を放出するから影響は少ないといいますが、実際には、その備蓄を燃料になる部分と製造に回る部分がそれらの需要量に見合うだけの放出量かというところで議論しないとダメで、たぶん直感的に考えるのは「ガソリン」だけなんじゃないかなという感じがします。

供給量がゼロになることはあまり考えられませんが、生産量は極端に調整され、資材を作る工場ではかなり管理された製造になりますので、「余分に仕入れる」とかはほぼできないと思います。従って建築の場合には工事契約がなされ、確実に資材が使用される状況であることを提示しないと資材会社側の受注を受け付けないということも起こってきます。

また、供給量が少なくなれば、調達するまでの時間もかかります。これまで1か月で入るものが2か月、3か月になることも予測されます。特に水廻りの設備品などは、部材の集合体ですので、その中のたった一つの部材の供給量が不足しても製品として出荷はできません。

それでも工事を行うことは必要ですから、その都度、調達できる資材を探しながらの工事になることも予測されます。従って当初予定していた工期を守ることがかなり厳しい状況にもなりますし、また、金額についても高騰分が見積金額に上乗せされる可能性も出てきます。こういう状況の場合、過去の経験から言いますと、今調達できる資材で工事を続行するというところが最初にくるわけですが、同等品や設計変更にフレキシブルに対応できないと工事継続のかじ取りは不可能です。

それを受け付けないのは、他ならぬお客様ではなく、法律や制度で縛られている役所や審査機関です。同等品による変更が少しでも性能不足であれば、それが基準値を満たしていても「変更審査」などが必要になるような杓子定規な対応ですので、経済対策を国が打ち立てるとすれば、こうした窓口対応での方向性をしっかり国として指示してほしいものです。

補助金申請では「見積」が必要な場合がありますが、その「見積」の金額が1週間ごとに変わってくるような今の状況を理解しない役人は、簡単に6月以降の交付決定などと言い出します。こういうマヌケな実態を議員の方に知っていただき、議会などで問題にしてほしいところです。

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