不毛なべた基礎、布基礎論争 その3

その2に続きます。

布基礎のフーチングの役目についてはここまでの説明でイメージできるのでは?と思いますが、布基礎が「基礎」として安定的に地面に建物の重量などを伝えることができているというのは、布基礎が沈むようなことがない、もっと構造的な表現を使えば、

接地圧 < 地耐力

となることが前提条件です。この条件をクリアするためには、2つの手法があります。まず、左側の「接地圧を可能な限り小さくする」という手法です。具体的には、

 ・フーチングの幅を広くとる

か、あるいは、

 ・建物の重量そのものを軽量化する

か、のどちらかです。そして次の手法は、「地耐力を大きくする」という手法です。具体的には、

 ・地盤補強工事を行う

ということになります(直接基礎とする場合を前提にしてます)。この3つの中でもっとも楽な手法はなにか?といえば、個人的には「地盤補強工事を行う」だと思います。ガチガチに地面を固めれば地耐力はアップしますので、それが相当量アップすれば、下手するとフーチングが必要ないくらいかもしれませんw ですが、この「地盤補強工事を行う」は非常に浅い部分であれば添加剤を混ぜ合わせることで硬化させることで実現しますが、深い層(10m程度下)まで期待できる硬さがないの状態であれば「柱状改良」などの杭状のものを構築するという補強法をとることになります(杭基礎ではありません!)。

となれば、相応の工事経費は覚悟しなければなりませんし、工事が決まる前に費用をかけた地盤調査を行うというのは意外と一般住宅ではないかもしれません。ちなみに、非住宅の大規模な設計を行う場合、この地盤状況の調査は「絶対」であり、工事を行う行わない関係なく、設計上の調査項目の中には必ず入ってきますので、建築行為をやっぱしやめたとしても、調査費用は請求されることになります。実は、この「地盤補強工事を行う」ことについては、これだけでシリーズ化できるだけのボリュームのある内容なので、ここでは、あえてこれ以上の深堀りはしないでおきますwww

さて、話しを「接地圧を可能な限り小さくする」に戻しますw 建物の重量を軽くするのは限界があります。したがって、接地圧を小さくするには、「フーチングの幅を広げる」ということが一般的な対処方法です。ちょっとここで、見てほしい図があります。上下とも同じ部屋の大きさで、フーチングの幅が広いときと狭いときの模式図です。

地耐力が想定する建物重量を支えるだけのものがなければフーチングの幅を広くするというのは、イメージとしてはこんな感じなわけです。さて、この基礎は地面の中に埋まるような形で作られます。ちなみに、どのくらい埋まるか?というのは建築基準法上、仕様規定として定義があります(建設省告示第1347号)。規定では24cm以上の根入れとなっています。

規定の根入れを取れということは、地面を掘り上げる必要があるわけですが、それが24cm埋まるだけでよいか?といえばそうではなく、フーチングの下に砂利敷きするのであれば、その砂利を入れる分も彫り上げることになります。イメージとしては以下の図の赤の線の部分を掘るわけです。

これを見てアレ?wって思いませんか?地耐力が弱い、だからフーチングの幅を広くする、ってことになると、建物の重量によっては、図の下のように文字通り「布掘り」するような施工ではなく、ほぼ「総掘り」するくらいの掘削工事が必要になるってわけですw これ、お金めっちゃかかりますwww 

さらにもっとやばいのは、フーチングがデカすぎて地境からはみ出してしまう状況になりうるということですwww 隣の家の敷地に自分のところの基礎のフーチングが入り込むとかありえないですよね?w

ところが、地耐力が弱い場合に強引に布基礎にすることになると、こんなことになるわけですが、だったら、こんな感じでフーチングをずらしたらいいんじゃね?って思うかもしれません。

確かにそうなんですが、これだとフーチングの片側によったところで上からの重量を受けるわけですから、フーチングの幅はもっともっと大きくなりますw これを「偏心」というんですが、絶対に偏心させてはいけないということはないのですが、その場合には、フーチングの幅がでっかくなることを覚悟しなければなりませんw

でも、まだここまでは序の口ですw 設計してみたらフーチングの幅が凄まじくデカくないとだめなことが分かった場合はどうでしょうか? 例えばこんな感じですw

設計してみたら左のフーチングに右のフーチングが重なっちゃうくらいの大きさが必要だという場合ですw 極端な例かもしれませんが、地耐力があんましないとか、建物の重量が相当重いという場合にはこういうことが発生してきます。こうなってくると、あえて深堀りしないといった地盤補強工事は必須になってくるわけです。

ちなみに、福井で1mの積雪荷重を考慮した場合の布基礎のフーチング幅は、600とか800mmとかのレベルではなくなります。柱の配置状況にもよりますが、1mを要求される場合もあります。当然、地境からの逃げや配管経路などの問題などで建物の外周より出せない場合にはフーチングを偏心することになりますので、1mのフーチングが1.5mくらいになる場合も出てきます。

というわけで、布基礎をディスった感じハンパない内容でしたが、次回からは「べた基礎」をディスってみようと思いますw

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