建築図面を書く際に「方位」は非常に重要な要素です。特に、省エネ法が施行され建築において省エネ性能計算が義務化となりましたが、方位による影響は大きく、建物がどちらの方向に向いているか?によって評価が変わります。なので、適当になんとなく上のほうが北という感じでは外皮計算の評価にも影響がでます。
まぁ、一般的にそんな適当な方角の見方なんかする建築屋さんはいないとは思いますが、方角の調査としては「北」を特定するところから始まりますw この時、おそらく「方位磁石」を使って「北」を特定すると思います。例えば、これは弊社の所在地をグーグルマップで表示したところです。

このとき、画像の上方向は北を向いています。っていうか一般的に上が「北」ですw 建築的な図面を書く場合の「配置図」といわれるものは、このような「地図」を元にして書くので、上の垂直方向を「北」とすることができるわけです。
ではこのグーグルマップの印のところに「方位磁石」をおいたら、画像のように垂直方向が「北」となるんでしょうか?www 実は「なりません」www ちょっと下の画像をご覧ください。

これは、「国土地理院」のホームページにある「地図」の表示ページのスクショです。
「方位線」をつけると垂直方向が「北」となります。

この方位線の垂直ラインの上が「真北(しんぼく)」といわれるものです。ところが、ここに方位磁石を置いた場合、北を示すラインは、実はこんな感じで「ズレ」が生じます。

弊社の社屋があるところは、8°30”のズレがあるということを示しているわけですが、この赤のラインの上の方向を「磁北」といっています。
さて、ここで、「真北(しんぼく)」と「磁北」とはなにか?を書いておきますと、
真北(しんぼく) 北極点や北極星に向かう方向。緯度・経度の経線が指し示す「上」
磁北 磁石の指す北
です。ちなみに「国土地理院」のホームページでも解説がありますw
これだけ見てると、グーグルマップとかいわゆる地図を広げて上の見れば北ならなんの問題もないと思われるかもしれません。でも実は実態はそうでもないんです。現地調査などで方位磁石を持っていき、その北が差し示す方向を「北」として作図をする場合があります。この場合、北を示す方向をプロットした場合には「磁北」をとっていることになります。ところが建築設計などでの北は「真北」とするので、磁北からのズレを考慮して「真北」の方向を割り出す必要があるわけです。

ズレに関しては、先ほど紹介した「国土地理院」のホームページの地図から表示させる方法や、以下の計算サイトで緯度経度を入力することで計算することもできます。
今回事例にあげた弊社の地図上の位置は、だいたい上が北としても問題ないような敷地状況でしたから、8°30”程度のズレでは、外皮計算などに与える影響はまずありません。でも、敷地が方位に対して斜めになっている場合では、8°のズレで方位係数の取り方が変わりますので影響が大きい場合があります。

中級者向け 省エネ計算演習講習会テキスト 令和3年度第2版 より
冒頭でも書きましたが、一般住宅においても省エネ計算が義務化された今、仕様規定ではなく外皮計算により性能を見極める場合には、この方位の問題は大変重要になりますので、単純に「上が北」とできない場合がある可能性が高いのです。
たかが8°のズレと侮ってはいけませんw



