耐震改修で室内の壁などを解体、補強を行うタイミングで、間取りの変更やキッチンの対面化などのリノベーションを行うことは合理的な改修だということがよく言われます。ですが、考え方としては、「リノベーション工事に耐震補強という側面が含まれる」という方が自然であると考えています。言い換えますと、「リノベーション工事」にはいくつかの要素があって、「耐震改修」とはその一つに過ぎないということです。
リノベーション工事 - ①構造
- ②省エネ
- ③メンテナンス
- ④間取りの変更、設備の入替、新設
という感じです。「耐震改修」というのは、この①の部分を担っているだけの話だと思います。でも実際には、④に主体が置かれて、①や②については置いてきぼりになる傾向が強いのではないでしょうか?
ちょっと今回お受けした耐震改修工事なのですが、工事途中からお客様のリノベーションへの思いが強くなり急遽変更することになりました。
その一部をご紹介しましょう。現状ではこんな感じです。



DKとなっている部分は6畳のスペースですが、ここに「高流し」が窓側に向けられて、背面側に水屋やダイニングテーブルがあるような状況です。正直、イマドキの生活スタイルと比較しますと、使い勝手がよいとは言えないかもしれません。でも、リビングや和室と部屋が区切られていることから壁は多いわけですので、改修するには比較的、楽になります。

壁の改修箇所はこの横並びの部屋の壁の縦横を赤色の部分に補強を行うことで計画していました。これでも「耐震改修を行う」という側面ではOKなわけですし、壁や天井を復旧することで、お部屋はピカピカになるわけです。でも、「使い勝手」という部分では「変化がない」のです。
もちろん「耐震改修」で安全性を高めることが、お客様のはじめのご要望ではありますが、他の部屋の工事が進んできますと、綺麗になっていく様を見ることでやはりお考えに変化が出てくるのです。お客様からはDKの改修ができないか?のご相談をお受けしました。そこで、ご提案したのはこのような「間取りの変更」でした。


DKとリビングの壁を外すことでLDK化し、キッチンを対面化させるわけですが、元々の和室との位置関係を重視しています。現状でもこの和室に「こたつ」を設置して団らんしている状態ですので、今の生活スタイルを崩すこともないと思われます。
耐震改修の内容としては、耐力壁の増強については、1間の壁分を別の箇所で補強することにしています。また、天井も改修しますので、梁への補強も可能になります。
補助金として「耐震改修」や「県産材リフォーム」がありますが、さらに「窓リノベ2026」や「みらいエコ住宅2026」も活用できます。現在の試算では「みらいエコ住宅2026」をのぞいた分で、2,128,000円の補助金を予定しています。かなり高額です。
耐震改修だけではなく、壁、床、天井の解体により断熱材の付加や、内窓の設置による窓の断熱性能アップも行いますので、フルリノベーションとまではいかずとも、性能アップによりリノベーション工事となります。


