非構造部材の耐震性

2026年6月25日、午前7時半ごろ、岩手県沖を震源とするマグネチュード7.2の地震が発生しました。青森で震度6強ですので、かなり強い揺れです。朝方の通勤・通学にかかる時間帯でもあったのでさぞかしびっくりしたと思います。

ニュースを見る限り、建物の倒壊まではなかったようですが、「建物被害」という部分では震度6強ともなれば家の中の食器類や飾りもの、電化製品などが床に散乱する状況でしょうから、建物自体に被害が見受けられずとも部屋の中はとんでもないことになってるのでは?と推測します。

さて、このような大きな地震が発生すると「耐震性」というものが注目されます。でも、今回の地震でも倒壊にいたった建物の報道はないものの、天井が落ちたり、外壁が剥がれ落ちたり、建物内の給水給湯配管が断絶してしまうなど、構造とは別の部分での損傷被害が出ています。

つまり「建物の倒壊」が免れたとしても、これら構造とは関係のない部分、天井、外壁、給排水設備、空調設備、電気設備といった「非構造部材」の損傷により、結果として建物が使えなくなるということが大きな地震の後では発生するのです。

新築時には構造もさることながら、設備や天井、外壁等の部分に対しても耐震性能を持たせる工夫はできますが、そういったノウハウがない状態で建築されてきた「古い建物」の場合にはなんらかの手当が必要になります。そして、その手当をするための「耐震診断」というものが一応、指針として定められています。

「既存建築物の非構造部材の耐震診断指針・同解説」といわれるものですが、これにはどのような被害が想定されるかなど、これまでの事例も踏まえた紹介もあります。例えば、工場や事務所、店舗の外装材として使用されているALCパネルといったものが、揺れによって脱落してしまうというものです。

あんなにがっちり固定されているはずのALCパネルが脱落してしまうとか、正直、信じられない部分もあります。また、天井などが脱落すると、取付いていた設備も脱落しますので、その部屋は元のように使用できるまでには相当時間がかかります。

また、ALCパネルもそうですが、外装材がはがれると落下したところに人がいれば、大事故につながります。

これらのことは、日頃の「点検」などである程度防ぐこともできます。定期的な調査によって劣化した部分を直すことで、いざ地震となっても被害を少なくすることが可能です。その点では、学校施設は日常的に生徒や先生が在室しており、その時間も1日で長時間になるのでかなり神経をつかっています。ちなみに、文部科学省からは、「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック」というものが出されています。


この中でこれまでの地震で発生した内部での被害について紹介があるのですが、このような状況が生徒や先生が活動しているところで発生する可能性は極めて高いのです。


このガイドブックには、点検チェックリストも紹介されています。

学校施設ですので、それ特融のものもありますが、概ね、一般的な建物にも使えるような構成ですので、ちょっとこれに従って点検してみて、気になるところがあれば建築屋さんに相談してみるというのはアリかと思います。

いずれにせよ、耐震性というのは、構造に対するものだけではないということを理解していただければと思います。

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